暦カード「草暦」発売
いつもと違う道を選んで、ようやく金木犀に出会えた先日。大きく空に向かって伸びる木、玄関先の小さな木、信号機に寄りそうような木、どの金木犀もたくさんの花をつけ、たくさんの花を落としていました。今年もそんな金木犀を見ることが出来て嬉しい散歩となったのですが……秋の雨が冷た過ぎて、凍えながら帰途に着くことになりました。
そんななか、来年の暦がようやく完成し、発売となりました。
今回は、暦カード「草暦(くさごよみ)」です。
野原や空き地や道端に根を張る魅力的な草を、二種の紙で描いて、細波のような風合いをもつ紙に印刷し、暦カードに仕立てました。
十二種の草は、いままで描いたことがなく、形や佇まいや名前に惹かれて描きたいと思った草を選びました。最初は、俳句も一緒に詠もうと思っていたのですが……草の殆どが季語であり、その季語の順番が前後してしまうのは避けたかったので、今回は純粋に描きたい草を十二個月に当てはめることにしました。
原画は、下絵と二種の紙を重ねて、カッターと鋏で切り出し、一部を切り離して入れ替えたりして、台紙にのりで貼り付けています。ゆらぎのある枠線が、さらに歪んだりするのも面白く、出来上がるまでどんな仕上がりになるのか想像のつかないまま手を動かしていました。出来上がってみると、ひとつの草にふたつの原画が出来上がっていました。そこで、暦には全体のバランスを見ながら黒枠と色枠を半分ずつ選びました。
十二種の草を生けるように、お愉しみ頂けましたら幸いです。
一月 待雪草(まつゆきそう)
二月 節分草(せつぶんそう)
三月 白詰草(しろつめくさ)
四月 釣鐘草(つりがねそう)
五月 捩摺草(もじずりそう)
六月 未草(ひつじぐさ)
七月 時計草(とけいそう)
八月 狗尾草(えのころぐさ)
九月 水引草(みずひきぐさ)
十月 背高泡立草(せいたかあわだちそう)
十一月 小栴檀草(こせんだんぐさ)
十二月 初恋草(はつこいそう)
ミニカードタイプですので、手帳に挟んだり、カードスタンドに立てたり、壁にマスキングテープで貼ったり……。使い終わったら、暦部分を切り離して栞やミニカードとしてもお使い頂けます。
年末の贈り物や、来年のお供に如何でしょうか。
