注文制作の蔵書票



久奈屋の名刺はレトロな活版印刷。
厚みのある紙に凸凹と印刷された文字は
思わず指でその感触を確かめたくなります。

この名刺を作ってくださったのは
活版印刷のつるぎ堂 多田さん。
ただいま、馬喰町(東京)のチェドックザッカストア
開催中のイベント「メイドインロシア」にて
活版ワークショップを担当されています。

その多田さんの描くキャラクターはとても個性的。
手足の伸びたマトリョーシカが
犬(?)の体にマトリョーシカの顔がついた生き物を散歩させていたりと
ちょっとシュールで不気味さと滑稽さを併せ持った
不思議な味わいがあるのです。
以前からこの発想はどこから生まれてくるのだろうと
気になっていたのですが…。

今回、多田さんの蔵書票を制作させて頂くことになり
その謎がほんの少し解けたように思いました。
ご希望のモチーフを伺い返ってきた回答は
なんと「妖怪」!多田さんは「妖怪」がお好きなのだとか。

あの個性的なキャラクターの数々は
不気味だけどどこか滑稽で憎めない「妖怪」に通じていたのかぁ…
と密かに納得した訳です。

それから「妖怪」について、いろいろと調べてみたところ
思っていた以上に奥が深くて面白いことを発見!
特に気になったのは鳥山石燕の描く「妖怪」と
江戸時代に描かれた「百鬼夜行絵巻」。

こちらの二つを参考に、多田さんのもつ雰囲気なども加味して
制作したのが上記の『多田蔵書』。

「妖怪」にしては少し可愛くなりすぎたかしら…とも思いますが
そこは多田さんのもつ雰囲気を加味したということで…。
さて多田さんをご存じの皆様、いかがなものでしょうか。

hisanaya

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