小さな光の粒



昔からビーズに弱い。
いろんな色のビーズをみると
無条件に「わぁ~っ」となってしまう。

子供の頃からスカート嫌いで
タンスの上から飛び降りたり
相手の顔が見えなくなるまで外で遊んで
自分が男の子だったらよかったのに…と
真剣に考えたこともあったのだけど。

何故かビーズだけは特別だった。
いまでも宝石にはまるで興味がないくせに
ビーズを使ったものからは目が離せなくなる。

PRの仕事をしていた頃、会社の近くのお洒落なお店で
不揃いの味わい深いビーズをふんだんに使った
太くてエスニックな雰囲気のブレスレットに出会った。
値札にはすごく高い値段がついていたのだけど
出会った瞬間にもう「つれてかえらなくては!」と思っていた。

手首につけてみると全体には赤っぽい印象のそれは
赤以外に黒や緑や黄色、青、ピンク…
様々な色のビーズで出来ていてうっとりした。
それから毎日のようにブレスレットをつけていたら
少しずつ馴染んできて一番大切なアクセサリーになった。

でもある日、ぱぁーっと床にビーズが散らばって
あっという間にブレスレットは壊れてしまった。
こんな儚いアクセサリーは特別な日にだけ
身につけるものだったかもなぁと
ぼんやりした頭で思いながら
残ったビーズをバラバラにして
いつかまた何かに生まれ変わる日が来るかもしれないと
大切に仕舞っておいた。



いまそのビーズは『カード 夜汽車』の
小さなピンク色のビーズと
新商品『吊し箋』のモチーフの間に留めた
不揃いの赤や緑や黒のビーズとして
久奈屋の紙文具の一部に生まれ変わりました。

一粒一粒、丸かったり角張っていたり
大きかったり小さかったり
ひとつとして同じもののない個性豊かなビーズの粒を
そっと細い糸に留めています。

新商品『吊し箋』はまず次の日曜日、5/27開催の
中央林間手づくりマルシェにて販売致しますので
是非、お手にとってこの小さな光の粒にも
注目して頂けたら幸いです。

hisanaya

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