暮来月のお噺

七月から拵え始めた物語ノ紙片集も
十二月の暮来月(くれこづき)のお噺で6種となりました
毎月、其の月に纏わる25枚の大小様々な紙片と
小さな小さな物語のセットなので
いつの間にか物語も6つ出来上がっていました
なんとなく十二箇月分出来たら
ひとまずはお仕舞いかなあと思っているので
ちょうど半分まで辿り着けたようです



いつも不思議に思うのは
季語と、記念日と、紙片が揃うと
ふんわりと映像が浮かんでくること
その断片的な映像を繋ぎ合わせていくと
いつの間にか小さな小さな物語が出来上がっています
今度はどんな物語なんだろうと
実はいちばん愉しみにしているのは
作り手なのかもしれません

そうしてちょうど
一月の物語が出来上がったところです
出来上がるといつもなるほどなあと
感心するのもいつものことなのですが…
さて、物語ノ紙片集は毎回
数量限定販売なので在庫がなくなったら
販売終了となります
いまのところ在庫があるのは



珈琲と森と、十月に纏わる
初霜月(はつしもづき)のお噺



物語の表紙のレンガは草色で文字は褐色



鏡と犬と、十一月に纏わる
雪待月(ゆきまちづき)のお噺



物語の表紙のレンガは朽葉色で文字はルビー色

そうして、クジラとデパートと、十二月に纏わる
暮来月のお噺



物語の表紙のレンガはポンペイアンレッドで文字は常磐緑

十二月の季語は梟・初雪・蕪(＊蕪畑)・狸
兎・鯨・手袋・クリスマス
－新歳時記 増訂版 虚子編より
＊合本 俳句歳時記 第四版 角川学芸出版編より

十二月の記念日は
双子の日・デパート開業の日・クリスマス

物語の表紙は厚手のトレーシングペーパーにレンガ
中紙はハトロン紙を重ねて
毎回、レンガと文字の色を変えていますので
此方も一緒にお愉しみください

物語は俳句のようなイメージでもあります
コトバは少なく余白を残して
読んだ方の数だけ変化する
そんな物語になればよいなあと思っています

今日は紙の記念日だとか
そんな紙の日に、25枚の紙片と
小さな小さな物語のセット
物語ノ紙片集に纏わるつれづれでした


紙文具拵処 久奈屋
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