佳きスタート



宮沢賢治童話の「黄いろのトマト」には
「色」が溢れていました。

赤いガラスの水車場
黄色のガラスの納屋
青いガラスのうちの中…

中でも印象的だったのは
このガラスの色「赤、黄、青」。

モチーフは「サーカス」。
華やかだけどもの悲しさの漂う「サーカス」。

新美南吉童話の「うた時計」は
まだ枯れ木とかれ草の覆う二月のある日の物語。

風がすこしもないあたたかい日に
少年と男の人は一緒に、うた時計から流れる
天国で小鳥がうたってでもいるような美しい音楽をきくことに。

茶、紫、水色、紅、濃紺、ゴールド、ピンク…。

モチーフはうた時計=「オルゴール」。
美しい音楽の流れる「オルゴール」。

物語のイメージを色に変え
カタチを与えて紙にのせていく。
試作を繰り返して紙文具を制作していく。

そうして出来上がったモノを
ニヒル牛2のギャラリースペースに展示したのが
個展『久奈屋紙文具展~物語の紙文具~』でした。

楽しかったなぁ、とても。
とても佳い、五周年の記念の展示をやらせて頂きました。

ご覧頂きました皆さま、誠にありがとうございました。
少しでも、楽しんで頂けたのならとてもとても嬉しいです。

応援してくださいました皆さま、
いつも本当にありがとうございます。
少しでも、この感謝の気持ちが伝わるといいのですが…。

素敵な空間をご提供頂きました
ニヒル牛2のスタッフの皆さまには、大変お世話になりました。
素敵な機会をありがとうございました。



無事に搬出を終えた後、
ガランとしたギャラリースペースを眺めて
なんだか淋しくも清々しい気持ちになりました。

六年目の「佳きスタート」。
ふと、そんな言葉が浮かんだりして。

どうぞ、六年目の久奈屋もご贔屓に!

hisanaya

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