初花月のお噺



夜空に豆を撒いたやうな
星たちが一齊にきらきらと
輝き始めた頃…

そんな書き出しで始まるのは
猫と雛菊と、二月に纏わる
物語ノ紙片集 初花月(はつはなづき)のお噺

今回、うっかりと書き忘れてしまったのですが
2月22日は猫の日で
2月9日は「29(ふく)」の語呂合わせで
風の日だと云われているそうです

風の日は調べても誰が決めたのか
よくわかりませんでしたが
なんだかそれこそ風の日らしいなぁと思い
お噺の最後に風を吹かせることにしました



今回は季語の「猫の恋」と
記念日の「猫の日」から
お噺の主役は猫と云うことで
25枚の紙片も猫尽くしとなりました

紙文具のモチーフとなっている物語も
夏目漱石著「吾輩は猫である」
シャルル・ペロー著「長靴を穿いた猫」
萩原朔太郎著「猫町」
ルイス・キャロル著「鏡の国のアリス」

それと、久奈屋紙文具の名を散りばめた
少々、奇妙な紙文具屋の旅の物語
「紙文具ヲ拵エル処ノ9ツノ欠片」



此方は9周年の二つの個展の際に
初めて久奈屋名義で綴った
prologueとepilogueのみの物語で
prologueは「紙ト本ト句と、夜ト猫ト鳥」
epilogueは「紙ト本ト句と、星ト月ト雨」



物語ノ紙片集のお噺にはところどころ
「紙文具ヲ拵エル処ノ9ツノ欠片」の場面に
重なるところもあったりしまして
今回の初花月のお噺には
prologueに登場した猫が再登場しております



初花月のお噺の
物語の表紙のレンガは紅梅色
文字はオリーブ色で綴りました

春立つ月の夜に
猫と雛菊と、二月に纏わる
物語ノ紙片集は如何でしょうか


紙文具拵処 久奈屋
twitter @hisanaya
Instagram @hisanaya
レトロな言の葉スタンプ 其の四販売中

hisanaya

シェアする