江戸・東京の大道芸

久しぶりの晴れ間。
両親とお墓参りにと出掛けた深川でチラシをもらった。
「江戸・東京の大道芸」。

主催は日本大道芸・大道芸の会
江戸時代から昭和初期まで独特の口上で
庶民に親しまれた日本の大道芸を披露してくださるという。
それも無料で!

これは面白そうと開演時間を確認してから深川飯で腹ごしらえ。
そしていざ深川江戸資料館へ。

がまの油売り、バナナの叩き売り、南京玉すだれ、と
聞いたことのあるものから
六魔(ろくま)、神霊護符売り、ヴァイオリン演歌など
初めて聞くものまでその数二十以上。

まずは「ぼてふり商人」の売り声が聞こえてきた。
夜明け前から売り歩く「納豆売り」と「あさり売り」。
隣で観ていた母が懐かしそうに「納豆ねぇ…」と呟くのが聞こえた。

見たことも聞いたこともなかったけど
当時の出で立ちで売り声を上げる「ぼてふり商人」たちの向こうに
活気ある下町の朝の光景が広がって見えた。

鍋釜が壊れたときは「鋳掛け屋」さんを呼び止め
店の前には注目を集める奇抜な格好をした「すたすた坊主」なる乞食がいる。

奇跡を見せるという「神霊護符売り」はどこか愛嬌があって憎めない。
聞き慣れない「六魔(ろくま)」は魔物を追い払う方法を教えることから
要は「占い」のこと。
どちらも胡散臭いようだけど
客を笑わせ元気づける口上に対しては惜しげもなく当然のこととしてお金を払う。
その関係が粋だなぁと感心する。

客の注目を集めようと芸や口上を披露したのが日本の大道芸。
いいものはいいと素直に認め、よくないものには野次を飛ばす。
客が芸を育てる。そして客にも素養が求められる。
当時の活気溢れる下町の様子を想像するとわくわくした。

「バナナの叩き売り」では本当にバナナを売るのだけど
タイミング良く「買ったーっ!」と声を掛けないと売ってはくれない。
「今日の客は笑いもケチる!」なんて言われて大笑い。

これは是非とも伝承していくべき日本の大道芸!
江戸から昭和初期の文化について
俄然興味が湧いた一日でした。

hisanaya

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