物語の紙文具



立春も過ぎて暦の上では春。
そんな時季ですが、実際にはこれから雪の予報。

オトナになってみるとつい通勤や外出に
支障を来すことを考えて憂鬱になったりもしますが、
コドモの頃、何よりもワクワクしたのは
雪の日だったように思います。

真っ白な雪は、何もかもを包み込んで
静謐な空気を運んで来てくれます。
そんな雪に閉ざされた静かな日には
童話の世界に浸ってみるのも悪くないのでは。

宮沢賢治「黄いろのトマト」と新美南吉「うた時計」。
どちらも、透明感があって少し悲しい物語。
でも、雪の日にはしっくりくるように思うのです。

「黄いろのトマト」は、博物館の蜂雀が主人公の少年に語る
幼いペムペルとネリの兄妹のおはなし。
庭に実った美しい黄いろのトマトを黄金(きん)だと思って
サーカスの番人に差し出すのですが…。

「うた時計」は、ちょうど同じ道を同じ方向に向かって歩いていた
男の人と少年が、出会って別れるまでのおはなし。
突然男の人のポケットから美しい音楽が流れ出して…。

このお気に入りのふたつの童話をモチーフに
久奈屋の蔵書票を作ってみました。
そして、ニヒル牛2 Gallery Spaceでの個展
久奈屋紙文具展~物語の紙文具~』のDMとしました。

久奈屋が五周年を迎えるその記念の個展は
三月一日から約二週間。
ふたつの童話がモチーフの
ロマンチックな新作紙文具を並べる予定です。

何度も何度も繰り返し読んだふたつの童話。
イメージは固まったので、そろそろ制作に入ります。
どんな紙文具が出来るか、自分でも楽しみです。
是非、ご覧頂けましたら幸いです。


久奈屋紙文具展~物語の紙文具~

期間:2013/03/01 fri.‐03/13 wed.

場所:ニヒル牛2 Gallery Space

東京都杉並区西荻北3-26-5
tel & fax 03-6765-2286
JR西荻窪駅北口より徒歩7分
12:00~20:00(最終日 ~17:00)
木曜日定休
http://nihirugyubook.but.jp/nihirugyu.html

hisanaya

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