「生きて行く私」

いま夢中になって読んでいるのは
宇野千代さんの自伝「生きて行く私」。

作家で着物デザイナー。
そのくらいの知識しかなかった私が
宇野千代さんに興味を持ったのは
いまなぜ青山二郎なのか」の中で
青山二郎さんと宇野千代さんが繋がったからでした。

青山二郎さんに興味をもったのは
いまなぜ青山二郎なのか」の著者
白洲正子さんを知る上でとても重要な人物だったから。

白洲正子さんは町田市にある
旧白洲邸武相荘に行ったことをきっかけに
白洲正子自伝」を読み始めたのでした。

この時代の人たちは
とにかく生き方に迫力があります。
今の時代にはない鬼気迫るものがあって
そこに強く惹かれるのかもしれません。

生きて行く私」の登場人物は錚々たる顔ぶれです。
萩原朔太郎、室生犀星、川端康成、東郷青児、谷崎潤一郎
藤田嗣治、北大路魯山人、三好達治、小林秀雄、井伏鱒二、北原武夫…

教科書や図書館で目にして字面だけで実態のなかった人たちが
本の中では生身の人間として描かれていて
そこにえもいわれぬ感動を覚えたりします。

いまのワイドショーや週刊誌をにぎわすスキャンダルが
ちょっと幼稚にうつるくらいの複雑な人間関係が
そんな登場人物たちで繰り広げられたら…
それはそれは読み出したら止まりません。

宇野千代という生き様に圧倒されつつも
不思議と元気も湧いてくる。
だから尚更止められなくて
あっという間に読み終わってしまいそうです。

そうして次は誰に繋げるか…

本の連鎖が
読書の醍醐味かもしれないと気づき始めた
今日この頃です。

hisanaya

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