洋菓子と和菓子と紙文具

近江屋洋菓子店 本郷店が閉店
そんな文字に目が留まって
ふと、ふたつの場所を思う

ひとつは、神田にある近江屋洋菓子店
こちらの2階で洋菓子製造補助のアルバイトを
まだ20代の頃、少しだけやらせて頂いたことがあった

近江屋洋菓子店の洋菓子は
新鮮な果物を惜しげもなく使うけれど
どれも単純なカタチ、素朴な仕上がりで
食べてみるとやっぱり
とてもシンプルな味わいだった
だからいくらでも食べられる気がして
毎日のように食べてもまったく飽きなかった

もうひとつは、茅場町にある和菓子屋 田川堂
掛け持ちしていたアルバイトの合間に立ち寄っては
週に何度もクリームあんみつを食べに通ったお店だ

昔ながらの飾り気のない店内で頂く
素朴な味わいのクリームあんみつには
どれほど助けられたかわからない
帰りには店頭の硝子ケースに並ぶ和菓子を
次のバイト先の皆と食べるために
お土産にしたりもしていた

江戸前の和菓子というのは
お茶の時間に家族でちゃぶ台を囲んで
手づかみでお腹いっぱい食べる
そんなお菓子なんですよ、と云っていた
田川堂のご主人のコトバが
何故だかずっと頭の片隅にあった

近江屋洋菓子店の洋菓子も
田川堂の和菓子も
暮らしの中の一部であって
特別な日のためのものではなかったけれど
毎日のお茶の時間がとても愉しみで
豊かになるようなお菓子だった
それは、ひとつひとつ丁寧に手で拵えた
実直なお菓子だからかもしれないと思う

久奈屋のモトはこんなところにも
あったのかぁと気がつく
「素朴であきない暮らしの中の紙文具」
そんな憧れの洋菓子や和菓子のような
紙文具を拵えるべく
ひとつひとつの商品を見直したり
いろいろと新作を考えたりしつつ
今日も彼是コツコツと拵え中です


紙文具拵処 久奈屋
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久奈屋紙文具型録

hisanaya

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