ルネ・ラリックと「和」
ロマンスカーに乗る度に
気になっていた美術館
箱根ラリック美術館に行ってきました。
特に魅了されたのは
繊細で優美な宝飾作品の数々。
そしてそのデザインモチーフに
釘付けになりました。
羽と尾羽をぴんっと伸ばした
濃い青の「ツバメ」が連なったネックレス。
ぷっくりとした実の弾力まで感じさせる
「さくらんぼ」の櫛。
羽の模様までリアルに表現された
「二頭のトンボ」の髪飾り。
どれもこれも「和」の馴染み深いモチーフばかり。
ところがラリックの手に掛かると
「ツバメ」も「さくらんぼ」も「トンボ」も…
溜息が出るほど優美な宝飾品に仕上がっていました。
ラリック作品にみられる
「和の花」に注目した企画展
『ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」』も
とても興味深い展示でした。
アール・ヌーヴォーからアール・デコへ。
その両時代を生きて活躍し続けたルネ・ラリック。
今回、彼の作品に出会ったことで
改めて繊細で優美な「和」への憧憬が深まりました。
ラリックが愛妻を亡くした後
妻の横顔をデザインした香水瓶。
妻の瞳の色と同じ緑色の小瓶は
どこか憂いを帯びた美しさを湛えており
その緑色がいつまでも心に残りました。